田んぼの世界は想像できないほど賑やかです。

ピッカピカのアマガエル

 

私の耕作する田んぼのある地区は山名地区、海老敷地区、大学口地区、下堀地区。山名海老敷大学口で育つ稲たちは、あと10日もすれば穂がちらほら出始める時期。この時期になると、田んぼが一気に賑やかになります。

バッタかキリギリスの赤ちゃん?
バッタかキリギリスの赤ちゃん?
もうすぐ陸に上がる変態中のアマガエル
もうすぐ陸に上がる変態中のアマガエル

畦を歩けば、私の接近を驚いて、沢山のバッタやキリギリスの子供たち?、まだ陸に上がったばかりのアマガエルたちが、ピョンピョン飛び跳ねてます。

アシナガグモの仲間かな
アシナガグモの仲間かな
ナガコガネグモの幼体
ナガコガネグモの幼体
縦長のあみあみ

田んぼの中では、やはり小さなクモ達が網を張って獲物を待ち構えています。網を水平に張るクモ、垂直に張るクモがいて、その張られた網の美しさについ見入ってしまう事もあります。田んぼは目に見えるだけでも、小さな生き物たちが沢山いるのが実感できる場所です。田んぼの上にはトンボ(アキアカネかな?)が舞い、蚊やブユなどを捕食しているようです。

ヤゴの抜け殻ウスバキトンボかな?
ヤゴの抜け殻
アキアカネのヤゴかな?

稲株には羽化を終えたヤゴの抜け殻が沢山あります。畦草刈りをしているとブユに悩まされる時があるのですが、トンボが舞い始めると、その心配も少なくなります。


「益虫、害虫、ただの虫」なんて分類?もありますが、厳密にはなかなか分類なんてできるものではありません。すべてはバランスで成り立っているのではないでしょうか。稲の害虫と言われる虫たちにとって普段恐ろしいと感じるものは、クモや寄生バチなどの天敵。捕食されるもの捕食するものバランスよくいて、田んぼ全体として稲が育っているように感じます。


7月9日は三芳地区でも農薬空中散布(空散)が行われます。散布を希望しない田んぼには白旗を立てて、農薬のかからないようにします。

下堀地区の原の田んぼ白旗を立てました
下堀地区の原の田んぼ
白旗を立てました

下堀地区は空散があるので、私の田んぼ4町2反15枚と同じ農事組合に所属する生産者の田んぼ、さらには「さく」と呼ばれる集落がある場所には「みよし村農園」や新規就農者の田んぼがあり、白旗が立っています。殺虫剤の大量散布はバランスが崩れ始める原因となるのではないでしょうか??


誘導異常発生現象(リサージェンス)
稲の害虫と呼ばれる虫たちを対象とした大規模な農薬散布により、天敵も駆除されてしまい、対象とされた害虫たちは、抵抗性を獲得して、結果として害虫の方が増加してしまう現象。山名、海老敷地区は空散のない区域。カメムシの被害はほとんとないと言っていい。天敵が沢山いるのだと思います。

子供のカマキリかな?
子供のカマキリかな?

 

田んぼで見かけるカエルたち

シュレーゲルアオガエル

田んぼに水が張られると沢山の生き物たちが集まってきます。今の時期、一番目にするのはカエルたち。一言でカエルと言ってもいろんな種類のカエルたちがいて、性格も動きも様々。

アマガエル

一番お目にかかることが多いのはやっぱりアマガエルかな?今はちょうどお相手探しの時期なのか、夕方からうるさいぐらいに鳴き始めて、田んぼの近くで電話ができないぐらいの数と音量。

育苗ハウスのプールの中のアマガエル
育苗ハウスのプールの中のアマガエル

アマガエルは産卵の時に水がある場所に出てきて、そのあとは陸上で生活するカエル。田の草取りの時期は、オタマジャクシや変態中のアマガエルに出会えます。

もうすぐ陸上生活に移るアマガエル
もうすぐ陸上生活に移るアマガエル

可愛らしい風貌とは裏腹に、俊敏なハンターでもあります。完全肉食だったかな。田んぼの中ではウンカやイネミズゾウムシなどを食べてくれている頼もしい子たちです。

アマガエルの捕食の瞬間
アマガエルの捕食の瞬間

俊敏な動きで蛾を捕まえたアマガエル。こんな写真なかなか撮れない奇跡の一瞬でした。

シュレーゲルアオガエル

全体的にのっぺりつるりんって感じのシュレーゲルアオガエル。最近少なくなってきたかなって感じるカエルですが、いる所には沢山いる?

シュレーゲルアオガエル
シュレーゲルアオガエル
畦の窪みに隠れてじっとしています

ちょうど荒代かき、代かきするころに田んぼの畦に卵を産み付けてあって、田んぼの中に浮いて出てきちゃうこともある。畦際で白いあわあわな感じの塊はシュレーゲルちゃんの卵塊です。

シュレーゲルアオガエルの卵塊
シュレーゲルアオガエルの卵塊

個人的には一番好きなカエルです。思わずちゃんづけしてしまう。

アカガエル(ニホンアカガエル)

まだ冬の最中の2月頃に、水が溜まっている場所でケケケケ鳴いて、お相手探ししているのはアカガエルなんですけど、相手を見つけて産卵しちゃうともう一度寝ちゃうらしい。本当かどうかは専門家に聞いてね。二度寝で有名なアカガエルなんて覚えています。毎年2月に雨が降るとアカガエルの鳴き声を聞きに海老敷第2の堰に行って、アカガエルの鳴き声を楽しんでいます。

アカガエル
冬の田起しで、出てきたアカガエル
水の中でもアカガエル
水の中でもアカガエル
アカガエルの卵
アカガエルの卵
水の溜まっている場所を見つけて産卵しているけど、
運が悪いと水がなくなり、干からびちゃうのも多い

アカガエルは最近減りつつあるカエルでもあるようです。原因はイノシシやアライグマに食べられているようです。悲しいかな獣害は、小さな生き物たちにも襲い掛かっているようです。

ヌマガエル

就農当時はほとんど見かけることのなかったカエルです。生息域は中部以西の本州ってあるから、この辺にはあまりいなかったのは確かなようです。ここ数年急激に増えてきたカエルで、アマガエルよりも見かける回数が多いぐらい。オタマジャクシは高温に強いらしく、夏の暑い時期の田んぼでも成長できる強い?カエルなのかもしれません。そのうち全部このヌマガエルになっちゃうんじゃないかと、心配しているのです。

ヌマガエル
高温に強いヌマガエル
お腹が白いのでヌマガエルかな
お腹が白いのでヌマガエルかな

ツチガエルっていうのもいるのだけど、お腹が白いのはヌマガエルなので、この子はヌマガエルだと思います。


夏の高温や獣害は米作りに大きな影響を及ぼしていますが、カエルたちの世界にも同じように影響があるようです。こういう変化は目に見えているから分かりやすいけれど、きっと目に見えない小さな小さな世界では、もっと大きな変化が起こっているのかもしれません。小さな世界の大きな変化は、やがて私たちを取り巻く世界にも影響が出てくるはずです。小さな世界でも変化が起こっているかもしれないって、意識することが大切なのかもと思うのです。