有機稲作入門講座(第2回)を開催しました「種まきと畦ぬり」

4月12日(土)、有機稲作入門講座の第2回目が開催されました。
今回の作業は種まきと畦(くろ)ぬりです。
この日は全10回の本講座を担当する3人の講師――小規模農家の岡さん、中規模農家のやぎ農園の八木さん、比較的大規模の有機農園ねぎぼうずの根岸さんの3人――が揃いました。

まず、講師が種まきと育苗の方法についてそれぞれのやり方を説明しました。このあたりでは、平らな苗箱を使うマット苗が主流です。説明の中で、シンプルな機械を使ってマット苗を作る方法についてデモンストレーションを行いました。

種まきマシンの「ニューひばり」の使い方を説明する根岸講師

その後の実践では、ポット苗を使う種まきの方法を体験しました。この方法は、一つ一つの苗が独立したポットで育ち、根を痛めにくいのが特徴の一つです。その後、苗箱を苗代(なわしろ)に運び、トンネルを作りました。

ポット一つ一つに種籾が入っているかをチェックしています。
苗代(なわしろ)に苗箱を並べていきます。

後半は田んぼでの畦(くろ)ぬり作業です。前回畦切りした畦(あぜ)に、水を含ませてこねた泥を塗り付けていきます。まず3人の講師が、それぞれデモンストレーションを行いました。一般的にはマンノウと鍬(くわ)を使いますが、オリジナルの手作り道具も登場しました! 3人それぞれの味の出た、貴重なデモンストレーションとなりました。大規模化により、手作業で畦ぬりをする農家さんはまれにしか見られなくなりましたが、こうした手作業の技を絶やさずに伝えていきたいものです。

お手製の道具(竹の柄を付けた鋤簾(じょれん))で畦(くろ)盛りする岡講師

やり方を教わった後は、いよいよ実践です。講師がやっているのを見ると簡単そうですが、実際にやってみると、土をすくう、土を盛る、土を塗りつけるという一つ一つの作業が思いの外難しい。講師のアドバイスを受けながら皆さん試行錯誤。1時間半ほどで無事に2反の畦ぬりを終えることができました。

畦ぬり作業を見守る八木講師(左)

最後に、トラクターに取り付けた畦ぬりの機械を見学しました。かっこいいトラクターに皆さん興味津々です。手作業の伝統も大切ですが、稲作の担い手が減り、一人の農家さんが担う面積が大きくなる中、田んぼを維持していくには、こうした機械もなくてはならない存在です。

畦ぬりの機械を見学しました。

話をする中で、この地域の農村を守りたい、その担い手を育てたいと、できるだけ多くのことを伝えようとする3人の講師の熱い想いと、自分でお米を作れるようになりたいと真剣に取り組む受講生の強い想いを感じた第2回目の講座でした。次回は「代かき(しろかき)」です。