田んぼのインフラ

暗渠周りの穴掘り工事

田んぼのインフラなんて言われても、何の事やらって感じ?すぐに思い浮かびそうなところでは、田んぼに水を引く用水路。さらにはため池や農業用のダム、そこから田んぼまで敷設されたパイプライン、川から水を汲み上げるポンプ。高低差を利用して水を引く羽目板や水門などなど。田んぼには水を引くために必要な設備?が沢山あります。普段お目にかかることのない排水暗渠。仕組みは田んぼの地中に埋められた細かい穴の開いたパイプ(昔は素焼きの土管を隙間を少し開けながら並べていた)を使い、水が抜けやすくする。水を溜める期間は栓をして、必要のない時は栓を開け排水性を良くする設備。この地域で区画整備(小さな田んぼを大きな区割りにする)が行われ、大型機械が入れるようにして、作業効率を上げ、米を増産させる、いわゆる構造改善事業(昭和30年代頃かな)が行われた際に、敷設整備された暗渠。個人や地区で敷設した場合もあるので、暗渠がいつ敷設されたかは地権者に聞かなきゃ分からない。(聞いても分からないかな)。厄介なのは土中にあり、出口は分かるけど、どのラインで埋まっているか分からない事。兎に角古い設備の場合もあるので、老朽化が激しいことに間違いはない。

今回は下堀地区のNPO田んぼ。さあ、やるぞ!って意気込んで田んぼに水を引き、くろこじ水止めくろぬりとみんなで作業は進み、排水路を見ると、暗渠の栓周りから水が駄々洩れ(>_<)

暗渠周りから水が駄々洩れ
田んぼに水を引いたら
暗渠から水が駄々洩れ(>_<)
悪夢のような出来事です

 

水圧っていうのは強いもんで、出口の方でいくら止めてもすぐに水が噴き出してくる。田んぼの中の方で止めないとすぐに崩壊してしまうのです。始まりました穴掘り作業。田んぼに水は溜まっているし、畦回りは泥は柔らかいし・・・。

暗渠周りはドロドロです
暗渠周りはドロドロです

 

田んぼの中の水を残しながら穴を見つけたい。復旧工事の工程を考えながら、頭の中では「プロジェクトX」のオープニングが(^^♪ 水があっては作業にならないことが判明。せっかく溜めた水を抜くのは忍びないが、兎に角掘って掘って、水の流れを突き止めて、穴を塞ぐしかない。穴掘り進んで原因が暗渠のパイプの老朽化による破損と、大きな水みちができたことによる漏水と判明。

新しくパイプを敷設
新しくパイプを敷設

 

パイプの交換と田んぼの中から続く穴には応急処置として粘土をたっぷ詰め詰めして塞ぎ、埋め戻して工事完了。書いていると簡単だけど、実際には夜も眠れぬ難工事!?重機が入れば半日作業だけど、すべて人力なので、その分時間もかかってしまいました。工事終了後、まとまった雨が降り、暗渠の水漏れがないことを確認して、水が溜まった田んぼを見て、ホッとしたのであります・・・。

最近よくニュースなどで話題になる道路陥没。土中に埋められたインフラの老朽化が原因だと思うのですが、田んぼでも同じことが起こっています。あらゆるものが上向きの状況の時(みんなが若くやる気に満ちた時代?)に作られたものが、今崩壊の危機に直面している、なんて思っちゃいけないのかもだけど、現実そんな雰囲気もあるから、さてさてどうしましょうと楽しく考える時期でもあるのだと思いまする。

 

初マムシ(>_<) 草刈りシーズンインお気を付けください

危険生物代表マムシ

田んぼに水が回り始め、水止め荒代掻きなど作業が進んでいます。同時に田植え前の本代かき(植え代かき)前には草刈りを終わらせたい。この時期は草の伸びが早く、あまり早く草刈りしちゃうと、田植えの頃にはまた草刈りせねばなので、出来ることなら荒代かき前後ぐらいがちょうど良いかも。

危険生物代表マムシ
危険生物代表マムシ

気温が少しずつ上がって、いろいろな生き物たちが動きだすこの時期、怖い生き物も動きだしたようです。4月9日通称大割前の田んぼの畦草刈りをしていたら、マムシに出会いました。非常に危険な生き物なので、百姓仲間の間では、見つけたら殺してしまうのが常。スパイダーモアという自走式の草刈り機での作業だったこともあり、鎌を持ち合わせていなかったので、逃がしてしまいましたが、写真に収めることが出来たので、注意喚起の意味も含めてアップしますん。

田んぼにはいろいろな生き物たちが住んでいます。常に危険があるっていう認識が大切だと思います。草の茂った場所には草履やサンダルでは入らない。手を着く場所には何かいないか確認する。衣類などを直に草や土の上に置かないなどなど。これらは百姓仲間では当たり前の事。常にいろんな生き物がいて、蠢いていたり、隠れていたり。怖がったり気持ち悪がったりする必要はないのですが、「いる」っていう認識、意識することが大切です。いなければ大変なことになる仲間??たちでもあるのです。

今年の初マムシ記念日は4月9日です(>_<)

田んぼに水がまわり始めます 2025年3月19日

水路に水が流れ始めました。

2月、3月、4月は旧三芳村内の各地域で畦焦しや水路掃除、堰からの水路掃除、ポンプの作業などなど様々な田んぼ関係の共同作業が行われます。この時期の土日に個人的な用事など入れてしまうと、共同作業のお知らせが来たときには、「さてさてどうしましょう」になってしまう事になります。共同作業の日程は毎年大体決まっているので、長年野良仕事に携わっていると分かるのですが、就農した当初はそんなこと、さっぱり分からず、困ってしまったことも多々ありました。さらに田んぼ関係の作業以外にも、その地区や組単位(コミュニティー)の集まりも加わり、土日は結構埋まってしまうのです。

さて、現在私は山名地区、海老敷地区、大学口地区、そして今年から下堀地区の田んぼを耕作することになり、それぞれの地区の水回り話(水路やその水系)を少し。

まず山名地区。山名川水系から水を引く水路。水が必要な3月~8月上旬まで、川をせき止めて、地形(高低差)を利用して、水路に水が流れます。全部で多分4カ所あって、江戸時代に掘られた素掘りの隧道もあり、自然の地形を上手く利用した水路です。

山名川水系の花見台取水口の掃除
山名川水系の花見台取水口の掃除

そして山間堰(さんませき)から水を引く水路。普段はこぼれ水が排水路を通り、途中から水路に上がる程度ですが、田んぼ仕事で水が必要な代かきの時期や生育ステージで水が一番必要な出穂期には堰水が落とされ(流され)て、山名の原を潤します。もちろん極端に雨が少ない年は、役員の方が堰水を落として、順番に水を入れてくれる場合もあります。さらに高井ヶ谷ポンプ小屋(正式名称不明)から川の水をポンプアップする経路もあり、すべての田んぼが隅々まで水が行き渡るように工夫されています。

次は海老敷地区。海老敷には海老敷川の上流に位置する広田堰から流れる、国府第一土地改良区の水路があります。この水は本織や明石など海老敷よりも下流部に位置する原を潤します。海老敷の原はもともと海老敷川の水だけで、田んぼの水は賄えていたので、堰は必要としなかったようなのですが、下流部の意向で堰ができたため、この水路の水を自由に使っていいという取り決めがあります。もちろん自由という解釈はお互い様の精神に基づいていることは言うまでもありませんが・・・。一部水路をせき止めて、海老敷の水利組合の水路に水がまわるようになっています。比較的自由な感じで、水が使えるのですが、水路の老朽化が激しい地区でもあります。

海老敷の原の畦焦し
海老敷の原の畦焦し

2月上旬には海老敷第一水利組合の畦焦しという行事があり、カラカラに乾く冬の田んぼの畦に火が付けられ、皆で管理しながら、畦の草を燃やします。

大学口と海老敷の第二水利組合。秋ヶ谷堰という堰から流れる水を、やはり途中で堰き止めて、素掘りの隧道の水路を通って、海老敷の一部と大学口と谷向の田んぼまで、水が流れます。堰水を管理する役員の方がいて、田んぼを見回って水が必要な時を見計らって、堰水を落としてくれます。この堰水の水路は常に水が流れているわけではないので、水が流れる時には連絡があり、そのタイミングで水を自分の田んぼに引くことが出来ます。

海老敷第2の堰 秋ヶ谷堰
海老敷第2の堰 秋ヶ谷堰

大学口地区はこの第2の堰の水の他に、独自に海老敷川からポンプアップすることが出来ます。通常はポンプで水を上げて水路に流しますが、堰水が流れる時は、海老敷の一部と大学口の田んぼすべてに水がまわります。ちなみにポンプは水利組合のもので、使用権利は早い者勝ち。朝一番に行って、誰も使っていなければ使えるというゆるくてちょっと厄介な仕組みでもあります。

今年から私が耕作を始める下堀地区は、全く初めての土地なので、水回り(水路の事)も、全く分からないのです。郷に入っては郷に従うではありませんが、その地域ならではの、決まりごとがあり、そのように決まったのには、それなりの訳があるので、その訳まで分かるようになると、水回りの管理も理解が深まるような気がしています。先人たちが取り決めた決まり事があるからこそ、当たり前のように田んぼに水が引けるのであって、米作りができる。水が豊富にある年は、結構穏やかで水争いも少ないですが、いざ雨不足、水不足になろうものなら、その作り手の本性?ではないけれど、いろいろ素顔が見えてくることも多々あります。

米作りには欠かせない水回りの事。人が少なくなれば、水路という米作りのインフラすら機能しなくなってしまいます。先人から引き継がれた水回り(水路)、多くの人が米作りに少しでも携われる環境を守っていきたいです。

 


 

4月から有機稲作入門講座を行います。

就農したいと考えているけれど、田んぼの仕事は無理だと思っている方、移住して半農半Xの暮らしをしたい方など、お米を自給したい方から販売農家になりたい方までを対象とします。苗づくりから収穫まで、小規模で始められる方法から、最近の機械化された方法まで学べる実践的な講座です。

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興味のある方はぜひぜひ受講をご検討ください。